古物営業

第1 総論

□ 古物営業法(昭和24年5月28日法律第108号。昭和24年7月1日施行)は,盗品等の売買の防止,速やかな発見等を図るため,古物営業に係る業務について必要な規制等を行い,もって窃盗その他の犯罪の防止を図り,及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする法律です(古物営業法1条)。
なお,昭和24年6月30日までは,①古物商取締法(明治28年法律第13号)及び②古物商取締法細則(明治28年内務省令第8号)が施行されていました。

第2 古物の意義

□ 古物とは,①一度使用された物品,②新品でも使用のために取引された物品,及び③これらのものに幾分の手入れをした物品をいいます(古物営業法2条1項)。
鑑賞的美術品及び商品券,乗車券,郵便切手等は古物に含まれるのに対し,大型機械類は古物に含まれません(同条項括弧書き)。
□ 古物営業法施行規則2条により,古物には以下の13種類があります。
① 美術品類(書画,彫刻,工芸品等)
② 衣類(和服類,洋服類,その他の衣料品)
③ 時計・宝飾品類(時計,眼鏡,宝石類,装身具類,貴金属類等)
④ 自動車(その部分品を含む。)
⑤ 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品を含む。)
⑥ 自転車類(その部分品を含む。)
⑦ 写真機類(写真機,光学器等)
⑧ 事務機器類(レジスター,タイプライター,計算機,謄写機,ワードプロセッサー,ファクシミリ装置,事務用電子計算機等) 
⑨ 機械工具類(電機類,工作機械,土木機械,化学機械,工具等) 
⑩ 道具類(家具,じゅう器,運動用具,楽器,磁気記録媒体,蓄音機用レコード,磁気的方法又は光学的方法により音,影像又はプログラムを記録した物等)
⑪ 皮革・ゴム製品類(カバン,靴等)
⑫ 書籍
⑬ 金券類(商品券,乗車券及び郵便切手並びに証票その他の物(航空券,入場券,収入印紙等))
□ 古銭,趣味で収集された切手及びテレホンカード類は,「その物本来の使用目的に従って取引されたものではない」ため,古物に該当しません。 
また,庭石,石灯籠,空き箱,空き缶類,金属原材料,被覆いのない古銅線類は,古物に該当しません。

第3 古物営業の種類

□ 古物営業には以下の種類があります(古物営業法2条2項ないし5項)。
① 古物の「売買」,「交換」,「委託を受けて売買」,「委託を受けて交換」を行う営業
→ ①の営業を営む者は「古物商」といわれます。
② 古物商間の古物の売買又は交換のための市場(=古物市場)を経営する営業
→ ②の営業を営む者は「古物市場主」といわれます。
③ 古物の売買をしようとする者のあっせんをインターネット上で競りの方法により行う営業
→ ③の営業を営む者は「古物競りあっせん業者」といい,例としては,インターネットオークションサイトの運営者があります。
平成14年11月27日法律第115号(平成15年9月1日)による改正により,③の営業も規制の対象となりました。
□ 古物商又は古物市場主は,自己の名義をもって,他人にその古物営業を営ませてはなりません(名義貸の禁止。古物営業法9条)。
□ ①古物商又は②古物市場主は都道府県公安委員会の許可を得る必要があり(古物商につき古物営業法3条1項,古物市場主につき古物営業法3条2項),③古物競りあっせん業者は都道府県公安委員会への届出を行う必要があります(古物営業法10条の2)。
□ 古物営業法が許可制度をとり,無許可営業を処罰することは,公共の福祉を維持するために必要な制限ですから,憲法22条1項に違反しません(最高裁大法廷昭和28年3月18日判決)。
□ ①又は②の営業に該当する行為を,反復継続して営む意思を持って行った場合,たとえ1回の行為であっても営業に該当します(最高裁昭和31年3月29日判決)。

第4 古物営業に対する規制

□ 古物商等は,行商をし,又は競り売りをするときは,許可証又は行商従業者証を携帯していなければならず(古物営業法11条1項及び2項),行商をする場合において,取引の相手方から許可証等の提示を求められたときは,これを提示する必要があります(古物営業法11条3項)。
□ 古物商又は古物市場主は,それぞれ営業所若しくは露店又は古物市場ごとに,公衆の見やすい場所に,国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければなりません(古物営業法12条)。
□ 古物商は,その営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所「以外の」場所において,買い受け,若しくは交換するため,又は売却若しくは交換の委託を受けるため,古物商以外の者から古物を受け取ってはなりません(古物営業法14条1項)。
□ 古物市場においては,古物商間でなければ古物を売買し,交換し,又は売却若しくは交換の委託を受けてはなりません(古物営業法14条2項)。
□ 古物商は,古物の買い受け等をする場合,相手方の住所,氏名,職業及び年齢を確認すること等により,相手方の真偽を確認する必要があります(古物営業法15条1項)。
□ 古物商は,売買等のため,古物を受け取り,又は引き渡したときは,その都度,以下に掲げる事項を,帳簿等に記載をし,又は電磁的方法により記録をする必要があり(古物営業法16条),帳簿等は3年間保存しておく必要があります(古物営業法18条1項)。
① 取引の年月日
② 古物の品目及び数量
③ 古物の特徴
④ 相手方の住所,氏名,職業及び年齢
⑤ 相手方の真偽の確認のためにとった措置の区分
□ 古物市場主は,その古物市場において売買され,又は交換される古物につき,取引の都度,①取引の年月日,②古物の品目及び数量,③古物の特徴並びに④取引の当事者の住所及び氏名を帳簿等に記載をし,又は電磁的方法により記録をする必要があります(古物営業法17条)。
なお,故意に帳簿に所定の事項を記載しなかった場合だけでなく,過失により所定の事項を記載しなかった場合も,古物営業法31条(3年以下の懲役又は100万円以下の罰金)に基づく処罰の対象となりますところ,このことは憲法38条1項に違反しません(最高裁昭和37年5月4日判決)。
□ 警察署長等は,必要があると認めるときは,古物商又は古物市場主に対して,盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物(=盗品等)の品触れを書面により発することができます(古物営業法19条1項)。
そして,①古物商は,品触れを受けた日にその古物を所持していたとき,又は6ヶ月以内に品触れに相当する古物を受け取ったときは,その旨を直ちに警察官に届ける必要があります(古物営業法19条5項)し,②古物市場主は,6ヶ月以内に品触れに相当する古物が取引のため古物市場に出たときは,その旨を直ちに警察官に届け出る必要があります(古物営業法19条6項)。
□ 古物商が買い受け,又は交換した古物のうちに盗品又は遺失物があった場合においては,その古物商が当該盗品又は遺失物を公の市場において又は同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合においても,被害者又は遺失主は,古物商に対し,盗難又は遺失の時から1年以内であれば,民法194条の特則として(東京高裁昭和57年2月25日判決),これを無償で回復することを求めることができます(古物営業法20条)。
なお,古物営業法20条は,都道府県公安委員会から適法な許可を受けていない古物商の場合にも類推適用されます(最高裁昭和31年6月29日判決)。
□ 古物競りあっせん業者は,古物の売却をしようとする者からのあっせんの申込みを受けようとするときは、その相手方の真偽を確認するための措置をとるよう努めなければなりません(古物営業法21条の2)。
□ 古物競りあっせん業者は,あっせんの相手方が売却しようとする古物について,盗品等の疑いがあると認めるときは,直ちに,警察官にその旨を申告しなければなりません(古物営業法21条の3)。
□ 警察職員は,必要があると認めるときは,営業時間中において,古物商の営業所,古物の保管場所,古物市場又は競り売りの場所に立ち入り,古物及び帳簿等を検査し,関係者に質問することができます(古物営業法22条1項)。
この場合,警察職員は,その身分を証明する証票を携帯し,関係者に,これを提示する必要があります(古物営業法22条2項)。
1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。