土地には通常,4つの価格があること

第1 総論

□ 土地には通常,4つの価格があります。
具体的には,①土地の時価と,②土地の公示価格・調査価格と,③土地の相続税評価額と,④土地の固定資産評価額は,おおむね,10:10:8:7の関係にあります。
□ 4つの価格のうち,他人の土地の価格であっても一番簡単に調査できるのは土地の相続税評価額です。
そして,土地の相続税評価額を1.25倍したものが時価の目安となります。

第2 土地の公示価格

□ 土地の公示価格は,地価公示法(昭和44年6月23日法律第49号)に基づき,国土交通省土地・水資源局地価調査課が毎年3月下旬に発表する金額であり,毎年1月1日時点の土地の時価の目安です。

第3 土地の調査価格

□ 土地の調査価格は,国土利用計画法施行令(昭和49年12月20日政令第387号)9条に基づき,都道府県(大阪府の場合,都市整備部用地室)が毎年9月下旬に発表する金額であり,毎年7月1日時点の土地の時価の目安です。

第4 土地の相続税評価額

□ 土地の相続税評価額は,相続税法(昭和25年3月31日法律第73号)22条によれば,当該財産の取得の時における時価によるとされています。
ただし,財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56,直審(資)17。なお,平成3年12月31日までは,「相続税財産評価に関する基本通達」という名称でした。)は,以下のとおり定めています。
財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第2条《定義》第4号に規定する課税時期をいう。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。
□ 実務上,土地の相続税評価額は,国税庁が毎年7月1日に発表する「財産評価基準書」に記載されている金額が基本となっており,この金額が相続,遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用されます。
□ 路線価保管庫と題するホームページ(http://rosenka.jp/)には,平成18年度ないし平成21年度の路線価図が掲載されており,その後の路線価図は国税庁ホームページに掲載されています。
□ 土地の相続税評価額は,①「路線価方式」(「自用地の価額」×地積)又は②「倍率方式」(「固定資産評価額」×倍率)のいずれかの方法で算出されます。

第5 土地の固定資産評価額

□ 土地の固定資産評価額は,地方税法(昭和25年7月31日法律第226号)403条1項に基づき,固定資産評価基準(昭和38年12月25日自治省告示第158号。地方税法388条1項参照)によって市町村長が決定した固定資産の価格であり,固定資産課税台帳(地方税法380条1項)のうちの土地課税台帳に記載されています。
固定資産課税台帳の閲覧は,①固定資産税の納税義務者,②賃借人及び③固定資産の処分をする権利を有する者(例えば,所有者及び破産管財人)についてしか認められていません(地方税法382条の2,地方税法施行令52条の14及び地方税法施行規則12条の4)。
固定資産課税台帳に記載されている事項の証明書(=固定資産評価証明書)の交付は,①固定資産税の納税義務者,②賃借人及び③固定資産の処分をする権利を有する者(例えば,所有者及び破産管財人),並びに④(a)訴えの提起,(b)仮差押えの申立て,(c)仮処分の申立て,(d)調停の申立て又は(e)借地非訟の申立てをしようとする者(代理人弁護士を含む。)についてしか認められていません(地方税法382条の3,地方税法施行令52条の15及び地方税法施行規則12条の5)。
そのため,毎年4月1日から4月30日までの間(大阪市の場合),同一の区又は市町村の住民に認められる土地・家屋価格等縦覧帳簿の縦覧(地方税法416条参照。大阪市の場合,市税事務所固定資産税担当で縦覧できます。)を除き,土地・家屋の固定資産評価額については,無関係の第三者が自由に調査できるわけではないこととなります。
□ 土地・家屋価格等縦覧帳簿の縦覧というのは,自分の土地又は家屋の価格と他の土地又は家屋の価格を比較することを通じて価格の適正さを確認できる制度です。
□ 真実は不動産の所有者でない者が,不動産登記簿上その所有者として登記されているために,右不動産に対する固定資産税及び都市計画税を課せられ,これを納付した場合には,右所有名義人は,真の所有者に対し,不当利得として,右納付税額に相当する金員の返還を請求することができます(最高裁昭和47年1月25日判決)。
□ 土地に対する固定資産税は,土地の資産価値に着目し,その所有という事実に担税力を認めて課する一種の財産税であって,個々の土地の収益性の有無にかかわらず,その所有者に対して課するものです。
よって,その課税標準とされている土地の価格である適正な時価とは,正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格,すなわち,客観的な交換価値をいいます(最高裁平成15年6月26日判決参照)。
そして,①上記の適正な時価を,その年度において土地から得ることのできる収益を基準に資本還元して導き出される当該土地の価格をいうものと解すべき根拠はありませんし,②一般に,土地の取引価格は,上記の価格以下にとどまるものでなければ正常な条件の下に成立したものとはいえないと認めることもできません(最高裁平成18年7月7日判決)。
□ たとい固定資産の価格の決定及びこれに基づく固定資産税等の賦課決定に無効事由が認められない場合であっても,公務員が納税者に対する職務上の法的義務に違背して当該固定資産の価格ないし固定資産税等の税額を過大に決定したときは,これによって損害を被った当該納税者は,地方税法432条1項本文に基づく審査の申出及び同法434条1項に基づく取消訴訟等の手続を経るまでもなく,国家賠償請求を行うことができます(最高裁平成22年6月3日判決)。
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