任意整理の場合における,貸金業者の税務

任意整理の場合における貸金業者の税務

□ 将来利息の免除は無利息貸付を意味しますところ,貸金業者の税務上,合理的理由のない無利息貸付は,無償による役務の提供(法人税法22条2項)として益金に算入され,かつ,寄付金(法人税法37条7項)として損金に算入されない(法人税法37条1項)ことになります(大阪高裁昭和53年3月30日判決参照)。
また,貸金業者の税務上,貸付金元金の一部免除を内容とする和解契約を締結することで貸倒損失(法人の貸金業者につき法人税法22条3項3号,個人の貸金業者につき所得税法52条2項)を計上するためには,「債務者の債務超過の状態が相当期間継続し,その貸金等の弁済を受けることができないと認められる場合において,その債務者に対し債務免除額を書面により通知したこと」が必要となります(「貸金等の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ」に関する法人税基本通達9-6-1,所得税基本通達51-11)。
このように,将来利息の免除なり,貸付金元金の一部免除なりについては,貸金業者にとっても税務リスクがありますから,貸金業者において税務署に対し,ある程度の説明ができるようにしておく必要があります。
ただし,弁護士に依頼した任意整理ということで,少なくとも,将来利息を免除する合理的理由にはなっています。
□ 貸金業者の税務上,貸付金元金について回収不能を理由として貸倒損失を計上するためには,債務者の資産状況,支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかである必要があります(「回収不能の貸金等の貸倒れ」に関する法人税基本通達9-6-2,所得税基本通達51-12のほか,最高裁平成16年12月24日判決参照)。
この場合,一部の回収ができないことを理由に,一部だけの貸倒損失を計上することは税務上許されていません。
□ 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し,その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において,債務者と和解をして貸付金の一部の切り捨てをした場合,貸金業者は,貸付金の一部だけの貸倒損失を計上することができます(法人税基本通達9-6-1(4)参照)。
□ 売掛金の場合,一定期間取引停止後弁済がない場合,備忘価額1円を控除した残額を貸倒れとして損金経理することができます(法人税基本通達9-6-3(1))。
しかし,貸付金の場合,法人税基本通達9-6-3(1)の適用はありません。
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