破産手続開始決定後における,破産者による破産債権の任意弁済等

第1 破産手続中における,破産者による破産債権の任意弁済

□ 破産手続中,破産債権者は破産債権に基づいて債務者の自由財産に対して強制執行をすることなどはできないと解されますものの,破産者がその自由な判断により自由財産の中から破産債権に対する任意の弁済をすることは妨げられません。
もっとも,自由財産は本来,破産者の経済的更生と生活保障のために用いられるものであり,破産者は破産手続中に自由財産から破産債権に対する弁済を強制されるものではないことからすると,破産者がした弁済が任意の弁済に当たるか否かは厳格に解すべきであり,少しでも強制的な要素を伴う場合には任意の弁済に当たるということはできません(最高裁平成18年1月23日判決)。
□ 自由財産から破産債権に対する弁済を強制されるものではないことを認識した上で,破産手続中に自由財産の中から勤務先等に対する借金を返済したい場合,必ず受任弁護士にご相談下さい。
□ 債務者が破産手続開始決定後に免責された債務を承認し,任意の支払を約束した場合でも,破産者の経済的更生への負担を考慮してもその支払を認めるのが相当といえる特段の事情が認められない限り,新たな契約に基づく債務も自然債務に止まるとする裁判例(東京地裁平成21年4月30日判決)があります。
ただし,これはあくまでも救済のための裁判例に過ぎませんから,このような行為を受任弁護士に相談することなく行うのは絶対に止めて下さい。
なお,自然債務とは,債権者が債務者に対して当該債務の履行を法的に強制することができない債務をいいます。

第2 免責許可決定確定後の債務承認又は支払約束

□ 免責許可決定確定後にした,破産手続開始決定前の債務について債務承認又は支払約束の効力を安易に認めた場合,債権者による弁済の強制を誘発し,破産者の経済的更生を困難とし,免責許可制度の趣旨に反する結果となりますから,少なくとも,破産者の自由かつ明確な意思が認められる場合でなければ,債務承認又は支払約束の効力を認める余地はないと解されています(東京地裁平成16年10月22日判決参照)。
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