債務整理一般のデメリット

第0 目次

第1 信用情報機関への事故情報の登録
第2 5年から10年の間,新たな借入が制限されること
第3 連帯保証人に迷惑が及ぶこと
第4 債務整理により制限される消費者信用の内容

第1 信用情報機関への事故情報の登録

1 信用情報機関とは,個人又は法人の信用情報(=支払能力に関する情報)の取得,及び会員に対する信用情報の提供を業とする者をいいます。

2(1) ブラックリストとは,不払い者を一覧でまとめた名簿のようなものと考えられますものの,信用情報機関では信用情報をコンピュータで一括管理しており,すべて電子データとして登録・提供しています。

   そして,延滞情報を含む事故情報は客観的事実として一定期間登録され,会員である貸金業者なり金融機関なりからの照会に基づき提供されますものの,延滞情報等をリスト化することは一切ありませんから,いわゆるブラックリストというようなものはありません。

(2)   世間でいうところのブラックリストに載るというのは,実際には,信用情報機関に事故情報が登録されることをいいます。

3 事故情報とは,借金の返済における事故をいい,例えば,①延滞,②債務整理(=弁護士が介入すること。),③代位弁済(=連帯保証人になっていた保証会社が代わりに弁済すること。),④個人再生及び⑤自己破産があります。

第2 5年から10年の間,新たな借入が制限されること

1(1) 弁護士が受任通知を発送した場合,信用情報機関にとっては「延滞」,「債務整理」,「契約見直し」,「利限再計算要求」等という形で事故情報として取り扱われます。

(2)   登録期間については,任意整理の場合は通常,5年間又は7年間であるのに対し,自己破産又は個人再生の場合,官報公告情報に該当することから,7年間又は10年間です。

2 信用情報機関に事故情報が登録されている5年から10年の間,住宅ローンを組んだり,クレジットカードを作ったりすることができにくくなります。

   ただし,銀行なり,カード会社なりにとって,信用情報機関への事故情報の登録は,融資に際しての判断材料にとどまりますから,絶対にできなくなるというわけではありません。

第3 連帯保証人に迷惑が及ぶこと

   連帯保証人を確保している債権者に対して債務整理を開始した場合,債権者は,連帯保証人に対し,保証債務の履行を請求することとなります。

   自己破産又は個人再生の場合であっても,連帯保証人は,債権者に対し,約定どおり借金を返済しなければなりません(自己破産につき破産法253条2項,個人再生につき民事再生法177条2項)。
   そのため,債務整理を開始した場合,連帯保証人に迷惑が及びます。

第4 債務整理により制限される消費者信用の内容

1 任意整理にしろ,自己破産又は個人再生にしろ,5年から10年の間,以下のことができなくなる可能性があります。
なお,①ないし③は後払いで商品等を購入する点で「販売信用」(=クレジット)といわれるものであり(割賦販売法により規制されます。),④は「消費者金融」といわれるものであり(貸金業法により規制されます。),両者を併せて「消費者信用」といいます。
① 商品等を,販売会社等との2者間契約で,分割払いにより購入すること。
→ 2月以上の期間にわたり,かつ,3回以上に分割して購入する場合,「割賦販売」(割賦販売法2条1項)に該当します。
② 商品等を,クレジットカードを利用した3者間契約で,分割払いなりボーナス一括払いなりにより購入すること。
→ いわゆるカード型クレジット(=包括クレジット)であり,法的には,「包括信用購入あっせん」(割賦販売法2条3項)に該当します。
なお,平成21年12月1日より前は,「総合割賦購入あっせん」といわれていましたものの,割賦販売法の改正により「割賦要件」が外れたことに伴い,名称が変わりました。
③ 商品等を,個別の契約ごとにクレジット会社を利用した3者間契約で,分割払いなりボーナス一括払いなりにより購入すること。
→ いわゆる契約書型クレジット(=個別クレジット)であり,法的には,「個別信用購入あっせん」(割賦販売法2条4項)に該当します。
なお,平成21年12月1日より前は,「個品割賦購入あっせん」といわれていましたものの,割賦販売法の改正により「割賦要件」が外れたことに伴い,名称が変わりました。
④ 貸金業者からお金を借りること。
2 以上の①ないし④のことができなくなるかどうかは,債務整理をしたことがあるという事実だけでなく,クレジット会社等に対する申込みをした時点における以下の属性にも大きく左右されますから,一概にはいえません。
① 雇用形態
→ 正社員か?派遣社員又はパート社員か?
② 勤務先の規模
→ 公務員又は上場企業の社員かどうか?
③ 居住形態
→ 自己名義又は家族名義の持ち家か?官舎又は社宅か?民間の賃貸か?公営住宅か?下宿か?
④ 年収(配偶者の年収を含む。)
→ 最低限,200万円以上ないと難しいといいます。
⑤ 家族形態
→ 独身か既婚か?親と同居しているか?子供がいるか?(延滞時の連絡の取りやすさです。)
⑥ 現在の職場の勤続年数
1(1) 被害者側の交通事故(検察審査会を含む。)の初回の面談相談は無料であり,債務整理,相続,情報公開請求その他の面談相談は30分3000円(税込み)ですし,交通事故については,無料の電話相談もやっています(事件受任の可能性があるものに限ります。)
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。

2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。