引継予納金を超える積立てを要求される場合

第1 大阪地裁の取扱い

□ 破産管財人は,原則として,引継予納金額以上の積立は求めてきません。
しかし,免責不許可事由に該当する行為の内容や程度,現在の収入及び支出の状況等を勘案して,裁量免責事情の保管のためには更なる積立てを行って,債権者に按分弁済を行うことが必要かつ可能と判断した場合,追加積立てを破産者に指示してくることがあります。
□ 追加積立てを要するものと判断した破産者から自由財産拡張の申立てがされた場合,破産管財人が,当該破産者に対し,上記積立てを要するという理由で,当該申立て自体を取り下げさせることはできません。
なぜなら,自由財産拡張精度と裁量免責制度とは制度趣旨が異なる制度であり,これらを連動させることは妥当でないからです。

第2 東京地裁の取扱い

□ 東京地裁では,大阪地裁と異なり,以下の考え方に基づき,引継予納金額以上の積立は求めてくることはありません。
□ 破産・民事再生の実務(中)310頁及び311頁に示された東京地裁の取扱いを紹介すると,以下のとおりです。
① 東京地裁破産再生部では,免責不許可事由があって免責の許否が問題となる場合,同時廃止の決定後,破産者に自由財産から一定額(負債額の約数%から10%まで程度)を積み立てさせて,債権者に対して按分弁済させた上で裁量免責の決定をするという運用をしていた時期がありました。
しかし,この運用は,①債務者にとって免責審理が長期化する,②債権者にとっても債権償却が迅速にできない,③一定額での免責はモラルの低下を招来しかねないなどという問題点が指摘されていました。
そのため,いわゆる少額管財の制度が導入され,破産管財人による免責に関する調査及び破産者に対する指導が行われるようになったことともあいまって,平成11年9月以後は免責のための積立指示を行わない扱いとしています。
② 免責のための積立てとは異なりますものの,破産者に免責不許可事由がある場合で,破産債権者に対する配当を少しでも増やすため,破産者が自由財産などから一定の金員を破産財団に組み入れるといった対応をした場合,それを裁量免責の一つの事情として考慮することができるかという問題があります。
破産財団の増殖に対する破産者の協力の態度等といった事情も,一般的には裁量免責の判断の際に考慮すべき事情の一つとはいえますものの,ここで財団組入の事実を裁量免責に当たって重視することになると,財団組入の可能な者だけがいわば金銭によって免責許可を得るといった結果になりかねません。
そこで,破産者が任意に財団組入をしたとしても,だからといって直ちに裁量免責が可能となるといった関係にはないことを踏まえて,基本的には免責許可を目的とした安易な財団組入は認めるべきではないものと思われます。
1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)の略歴取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ等はこちらであり,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図はこちらです。