管財事件における破産予納金

第1 総論

1(1) 大阪地裁では,破産管財人が選任される自然人の管財事件の場合,合計で218,834円以上の破産予納金が別途,必要になります(破産法22条1項,破産規則18条1項参照)ところ,その内訳は,以下のとおりです。
① 裁判所に対する予納金
→ (a)自然人の場合,13,834円であり,(b)法人の場合,13,197円です。
② 破産管財人に対する引継予納金
→ 20万円以上です。
   大阪地裁では,平成16年11月に引継予納金の取扱いが始まりました。
③ 郵券代替分引継予納金
→ 債権者数が50名以下の場合,5,000円です。
(2) 大阪地裁の同時廃止事件の場合,破産予納金は1万584円です。

2(1) 法人の管財事件において,破産管財人に対する引継予納金を20万円にしてもらうためには,破産手続開始の申立てまでに,最低限,①事業用賃借物件の明渡しを完了していること,及び②従業員を解雇していることが必要となります。
(2) 事業用賃借物件の明渡しが完了していない場合,原状回復費用の見積書を提出する必要があります。

3 債権者数が100名を超える場合,破産管財人に対する引継予納金は,法人で50万円以上となり,自然人で30万円以上となります。

4 破産予納金を納付できない場合,破産手続開始決定を出してもらえません(破産法30条1項1号参照)。

第2 併存型における予納金の取扱い

1 ①法人及びその代表者,並びに②夫婦が,同時に,又は近接した時期に破産手続開始の申立てをした場合,その一方に資産がほとんど存在せず,訴訟の必要等も存しない場合,基本事件の引継予納金を最低額の20万5000円とし,もう一方の事件の引継予納金を5000円とするものです。
   併存型は例外的措置であるため,法人及びその代表者,並びに夫婦の場合に限定した運用とされています。
   そのため,例えば,①法人及びその元代表者,②法人及び平取締役,並びに③親子が同時に破産手続開始の申立てをした場合,原則どおり,それぞれについて20万5000円が必要となります。

2 法人,その代表者,及び代表者の妻の3名が破産手続開始の申立てをする場合,法人及びその代表者は併存型として取り扱われますものの,代表者の妻については別途,20万5000円の引継予納金が必要となります。

第3 第三者予納をした場合の取扱い

1 裁判所の第三者予納許可決定を得て親戚等の第三者に予納金を納付してもらった場合,当該第三者の予納金償還請求権は,破産法148条1項1号の財団債権に該当します。
   そのため,①破産裁判所の受付で財団放棄の上申書を書かされることなく,かつ,②破産者が手元に残せる99万円及び破産管財人の報酬を控除した後で余りがある場合に限り,後日,当該第三者は返金してもらえます。
 
2 第三者の予納金償還請求権は,破産債権ではない点で免責許可決定の対象ではありません(破産法253条1項)から,免責許可決定を受けた後に返済することができます。

第4 破産予納金の具体的な計算基準

1 高松地裁の場合
(1)ア 高松地裁HPの「破産手続開始申立事件に関する予納金等基準表」によれば,管財人への引継予納金は,廃止見込み事案の場合,自然人であれば33万円以上,法人であれば43万円以上となっています。
イ   加算事由は,①債権者申立又は準自己破産の場合,②従たる営業所がある場合,③所有不動産が主たる営業所所在地又は現在居所と異なる市町村に所在する場合,④明渡し未了の賃借不動産がある場合(ただし,債務者が自然人の場合の債務者及び債務者の扶養親族の現住居所は除く。)となっています。
    減算事由は,①回収可能性の高い預貯金,保険解約返戻金,供託金がある場合(ただし,換価基準内のもの及び自由財産の範囲の拡張申立てをしているものは除く。),②回収可能性の高い売掛金がある場合,③法人とその代表者の同時申立ての場合,④夫婦の同時申立ての場合となっています。
(2)   少額管財事件に該当するときは,法人又は自然人単独の場合,20万円であり,法人と代表者の同時申立の場合,30万円です。
(3) 同時廃止事件の場合,1万584円です。

2 横浜地裁の場合
(1) 横浜地裁HPの「破産・免責申立手続事件の郵券・予納金・収入印紙一覧表」によれば,管財人への引継予納金の最低額は20万円となっています。
(2) 大規模管財事件(債権者100名以上)の予納金は,法人の場合は70万円以上,個人の場合は50万円以上となっています。
(3) 同時廃止事件の場合,1万584円です。
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