債務整理と,所得税及び贈与税の取扱い

債務整理と,所得税及び贈与税の取扱い

1(1) 形式的には,貸金業者等の「法人が」個人に対して債務免除をした場合,一時所得として所得税の課税対象となります(所得税法34条1項。なお,贈与税が課税されないことにつき相続税法21条の3第1項1号参照)。
   また,「個人が」個人に対して債務免除をした場合,贈与により取得したものとみなされる結果(相続税法8条本文),贈与税の課税対象となります(なお,所得税が課税されないことにつき所得税法9条1項15号参照)。
(2) 贈与税の基礎控除の額は110万円であり(平成13年1月1日以後の贈与の取扱いに関する租税特別措置法70条の2の2・相続税法21条の5参照),一時所得の特別控除額は50万円です(所得税法34条3項)。
そのため,これらの額を超えない限り,税金の問題が生じることはあり得ません。

2 貸金業者等の法人からの債務免除益のうち,債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に受けたものについては,各種所得の金額の計算上収入金額又は総収入金額(所得税法36条1項参照)に算入しないものとされていますから,一時所得は発生しません(所得税基本通達36-17本文参照)。
   また,個人からの債務免除益のうち,その者の債務の金額が積極財産の価額を超えるときのように社会通念上債務の支払が不能(破産手続開始の原因となる程度に至らないものを含む。)と認められる場合,「資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」に当たります(相続税法基本通達7-4参照)から,債務超過の部分の金額については,贈与により取得したとはみなされません(相続税法8条ただし書1号)。
   そして,自己破産又は個人再生の場合はもちろん,任意整理を行う場合も通常,資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合に当たりますから,将来利息等について債務免除を受けたとしても,税金の問題が発生することはありません。

3 両親なり配偶者なり子供なり兄弟姉妹なりといった扶養義務者(相続税法1条の2第1号参照)に残債務を一括弁済してもらう場合,形式的には贈与税の課税対象となります(相続税法8条本文)。
   しかし,債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において,その債務者の扶養義務者によって当該債務の全部又は一部の引受け又は弁済がなされたとき,贈与により取得したとはみなされません(相続税法8条ただし書2号)。
   また,相続税又は贈与税の課税対象となる経済的価値に対しては所得税を課さないとする所得税法9条1項15号により,同一の経済的価値に対する相続税又は贈与税と所得税との二重課税は排除されています(最高裁平成22年7月6日判決)。
   そして,自己破産又は個人再生の場合はもちろん,任意整理の場合も通常,資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合に当たりますから,両親等に残債務を立て替えてもらったとしても,税金の問題が発生することはありません。
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3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。