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離婚訴訟における親権者の指定,養育費及び財産分与並びに慰謝料請求

第1 離婚訴訟における親権者の指定

□ 親権者の指定については,まず,監護の現状が未成年者の福祉に反するような現状にあるかどうか,その監護がどのようにして開始されたのかについて双方の主張を家庭裁判所から確認されます。
   監護していない親が監護の現状に問題があると主張するときは,どのような問題があるかを具体的に主張し,その裏付けとなる資料等を提出する必要があります。
□ 親権者の指定について争いがある事案であっても,監護していない親が監護の現状について漠然とした不安を訴えているに過ぎず,監護している親の親権者としての不適格性について具体的な主張をすることができず,また,自己が監護する場合の監護養育の具体的な計画がなく,監護補助者の協力も得られる見通しがない場合,争点整理の段階で審理の見通しを伝えられ,離婚訴訟の争点から外すようにいわれてしまいます。
□ 人事訴訟法32条2項・3項は,親権者指定に関する裁判を行う場合,家庭裁判所は,当事者に対し,金銭の支払その他財産上の給付を命ずることができると規定しています。
   ただし,これは,親権者の指定を実現するのに付随して当然に発生する金銭等の給付(例えば,子を引き渡す際に要した旅費等)に限られるのであって,長期にわたって継続する養育費の支払を求めるためには,当事者の申立てが必要になります。
□ 15歳未満の子について親権者の指定が問題となる場合,監護の現状を説明する資料として,未就学児童については,母子健康手帳及び幼稚園・保育園の連絡帳(直近6ヶ月分程度)の写しを,就学児童については,出席状況等が分かる通知票(通知表,通信票,通知簿,通信簿等ともいいます。)の写しを提出することがあります。

第2 離婚訴訟における養育費及び財産分与

□ 離婚訴訟において,別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し,別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合,民法771条・766条1項が類推適用されます(最高裁平成9年4月10日判決参照)。
   そのため,当該申立ては,人事訴訟法32条1項所定の子の監護に関する処分を求める申立てとして適法なものであるといえますから,家庭裁判所は,離婚請求を認容する際には,当該申立ての当否について審理判断してくれます(最高裁平成19年3月30日判決)。
   ただし,①婚姻費用の中には子の監護費用も含まれますから,別居後も婚姻費用が支払われている場合,このような問題は生じませんし,②未払の婚姻費用は財産分与において考慮できます(最高裁昭和53年11月14日判決)。
   そのため,離婚訴訟において財産分与の申立てもあり,財産分与において未払婚姻費用が適切に考慮される場合,養育費としては離婚後の分の支払を命じてもらうことで足りるのが普通です。
□ 財産分与は,離婚をしたときから将来に向けて形成するものですから,離婚訴訟の判決が確定しない限り形成されないのであって,遅延損害金の起算日は判決確定の日となりますし,仮執行宣言(民事訴訟法259条1項)は付けてもらえません。
   そのため,請求の趣旨としては,「金○円及びこれに対する離婚判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」という風に記載します。
□ 離婚訴訟の判決で財産分与についても裁判することを申し立てる場合,その額や方法等を申立てにおいて明示する必要があります(人事訴訟規則19条2項参照)。
□ 離婚訴訟における財産分与の申立て(人事訴訟法32条1項)については,裁判所は申立人の主張に拘束されることなく自らその正当と認めるところに従って分与の有無,その額及び方法を定めるべきものであって,裁判所が申立人の主張を超えて有利に分与の額等を認定しても処分権主義を定める民事訴訟法246条に違反しませんから,控訴審裁判所において不利益変更禁止の原則の適用はありません(最高裁平成2年7月20日判決参照)。
   つまり,離婚訴訟において財産分与の額を不服として控訴した場合,原判決以上に,不利な財産分与を内容とする判決が下される危険があるということです。 

第3 離婚訴訟における慰謝料請求

□ 離婚訴訟における慰謝料請求としては,①離婚そのものによる慰謝料請求(「離婚自体慰謝料」ともいいます。),及び②離婚原因を構成する不法行為に基づく慰謝料請求(「離婚原因慰謝料」ともいいます。)があります。
   ①の場合,離婚に伴い発生する慰謝料ですから,遅延損害金の起算日は,「判決確定の日」からとなり(消滅時効の起算点が離婚判決確定日であることにつき最高裁昭和46年7月23日判決),仮執行宣言を付けてもらえないのに対し,②の場合,遅延損害金の起算日は不法行為の日となり,仮執行宣言を付けてもらえます。
   なお,実務上の請求としては,①の場合がほとんどであり,訴状における請求の趣旨としては,「金○円及びこれに対する離婚判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」という風に記載します。 
□ 離婚に伴う慰謝料請求は本来,一般調停事件である点で地方裁判所又は簡易裁判所に提訴すべき事件であるものの,離婚訴訟と併合して,家庭裁判所に損害賠償請求訴訟を提起することができます(人事訴訟法17条1項前段)。
   ただし,家庭裁判所が例外的に管轄を有するのは,あくまでも「人事訴訟の原因である事実」による損害賠償請求事件(いわゆる関連損害賠償請求事件)であって,例えば,婚姻が破綻した後,相当期間が経過した段階での損害賠償請求については管轄がありません。
□ 不貞行為の相手方に対する慰謝料請求は本来,一般調停事件である点で地方裁判所又は簡易裁判所に提訴すべき事件であるものの,配偶者に対する離婚訴訟に併合して請求すれば,同じ家庭裁判所で審理してもらうことができます(人事訴訟法17条1項後段,2項)。
   この場合,訴状において,既に離婚訴訟が家庭裁判所に係属する旨及びその事件の表示を記載する必要があります(人事訴訟規則12条)。
   また,不貞行為の相手方に対する慰謝料請求が既に地方裁判所又は簡易裁判所に係属している場合であっても,申立てにより,相当と認めてもらえれば,離婚訴訟が係属している家庭裁判所に移送してもらえます(人事訴訟法8条1項)。
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