自動車

第0 目次

第1 自動車を手元に残せる場合
第2 自動車の査定
第3 ローン会社による自動車の引き揚げ
第4 ローン会社が自動車の引き揚げをできない場合
第5 交通事故の場合の評価方法

第1 自動車を手元に残せる場合

1 (a)自動車ローンが残っておらず,かつ,(b)自動車の価値が20万円未満である場合,同時廃止事件であっても自動車を手元に残すことができます。

2 自動車ローンが残っていないとしても,自動車の価値が20万円以上の場合,同時廃止事件では自動車を手元に残すことができませんから,管財事件にした上で,自由財産拡張の手続をとる必要があります。

第2 自動車の査定

1 自動車の査定をとる場合,(1)年式,(2)車名,(3)排気量,(4)走行距離,(5)車検日といった車検証記載事項に加えて,(1)ドア・形状,(2)グレード,(3)色,(4)ミッション,(5)エアコン,(6)パワステ,(7)パワーウィンドウ,(8)アルミホイール,(9)コンポ,(10)自動車税の納税状況,(11)リサイクル券,(12)事故修理歴,(13)目立った傷の有無といった事項が必要になりますから,できる限り調べておいて下さい。

2 私は,株式会社JCM大阪支店(大阪弁護士協同組合の特約店です。)で自動車の査定書をとることが多いです。
   ただし,①登録自動車で初年度登録から7年以上,軽自動車・事業用の登録自動車で初年度登録から5年以上が経過しており,②新車時の車両本体価格が300万円未満であり,③外国製自動車でない場合,④損傷状況等から見て無価値と判断できる限り,査定評価を受けることなく0円と評価してもいいとされています。

第3 ローン会社による自動車の引き揚げ

1 ローンが残っている自動車については,ローン会社が引き揚げます。
   そのため,自動車ローンが残っている場合,受任通知発送後は,自動車の使用を控えるとともに,ローン会社から引き揚げ方法の指示があるまで,自動車の処分は絶対にやめてください。
   ただし,生計を別にする親戚が自動車ローンについて第三者弁済をしてくれるのであれば,ローン会社の引き揚げの対象にはなりません。

2 引き揚げの前に,バッテリーの充電を忘れずにしておくことが望ましいです。
   また,トランクなりダッシュボードなりから私物を取り出しておくほか,(1)車検証,(2)自賠責保険証明書,(3)任意保険の保険証券,(4)自動車税納税証明書(継続検査用),(5)取扱説明書,(6)整備手帳(=メンテナンスノート),(7)メーカー保証書,(8)リサイクル券といった関係書類をひとまとめにしてすぐに渡せるようにしておくことが望ましいです。

3 自動車の引き揚げ自体は通常,ローン会社の委任を受けた引き揚げ専門の会社が実施します。
   そして,自動車を引き揚げる際は通常,「車両お預かり書」といった書類を交付してくれます。

4(1) ローン会社が自動車を引き揚げた場合,財団法人日本自動車査定協会(中古自動車査定士が所属する民間団体です。英語名の略称はJAAI)等の査定価格に基づく売却価格から,査定料,自動車税,自動車税延滞金等の費用を控除した残額を,残債権(元金,遅延損害金,督促費用等)に充当されることとなり,充当後債権額が債務整理で問題となる債権額となります。
(2) 中古自動車査定士には,①小型車査定士及び②大型車査定士の2種類があります。

第4 ローン会社が自動車の引き揚げをできない場合

1(1) 自動車の購入者から委託されて販売会社に売買代金の立替払をした者が,購入者及び販売会社との間で,販売会社に留保されている自動車の所有権につき,これが,上記立替払により自己に移転し,購入者が立替金及び手数料の支払債務を完済するまで留保される旨の合意をしていた場合に,購入者に係る再生手続が開始した時点で上記自動車につき上記立替払をした者を所有者とする登録がされていない限り,販売会社を所有者とする登録がされていても,上記立替払をした者が上記の合意に基づき留保した所有権を別除権として行使することは許されません(最高裁平成22年6月4日判決)。 
(2) 最高裁平成22年6月4日判決を前提とした場合,当時の約款を基準とすれば,車検証の所有者がローン会社であれば,自動車の引き揚げができるのに対し,車検証の所有者が販売店である場合,自動車の引き揚げができないこととなりました。

2 最高裁平成22年6月4日判決当時の約款は,①自動車の留保所有権の被担保債権の範囲に販売店の有する自動車売買代金以外の債権(例えば,手数料)が含まれていた,②三者間契約の約款上は販売店が留保所有権の主体であることが明示されていなかった,③ローン会社が留保所有権を取得する根拠が明確に記載されていないといった特徴がありました。
   しかし,最高裁平成22年6月4日判決以後の約款では,①留保所有権の被担保債権の範囲が販売店の有する自動車売買代金債権に限定され,②販売店が留保所有権の主体であることが明示され,③ローン会社が留保所有権を取得する根拠が法定代位であることが明示されるようになりました。
   そのため,最高裁平成22年6月4日判決以後の約款を用いた自動車の購入者が破産した事案については,ローン会社は,法定代位を根拠として,自動車の留保所有権を,自己の登録名義を備えることなく別除権として行使すること(つまり,管財人に対して自動車の引き渡しを請求すること)が認められるようになっています(TKCローライブラリーの「登録名義を有しない自動車の留保所有権者による別除権行使を認めた事例」参照)。

第5 交通事故の場合の評価方法

「物損に関する示談及び少額訴訟」を参照してください。
1(1) 交通事故及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。